バグダッドに戻り、結婚式を待つシンドバッドとパリサ。平和なひととき。存在そのものがうさんくさい魔術師のソクラは何とか島に戻ってランプを取り戻そうと色々と画策する。

まず自分が怪物退治用に考案した大弓のデザインをバグダッド太守に見せて船と船員を貸して欲しいと願い出るが、船も船員の命も粗末に出来ないとの理由であえなく却下。

そして次は祝宴の席で魔術を披露する。
バグダッド太守がソクラを呼び、パリサの父であるサルタンの前で何か魔術をやってみせろと命令する。ソクラはパリサの召使いサディを助手にして、彼女を大きなつぼの中に入れる。皆が見守る中、籠から取り出した蛇をつぼに入れ、さらに怪しげな薬をそのつぼにふりかけ、斧でつぼをたたき割る。そこで皆が目にしたものは、手が4本で下半身が蛇というサディの姿であった。蛇女は体をくねらせて踊り出す。

この蛇女が踊るシーンはハリーハウゼン自身がこの映画で最も気に入っている場面の一つだそうだ。なんでもこの蛇女、ハリーハウゼン版『アラブの踊り子』らしい。アラビアン・ナイトを題材にした映画には必ず、体をくねらせて踊る女性のシーンがあるものですが、この蛇女はそういった踊り子の代わりとして出演させたとの事。そういう理由ならばもっと美人の女優さんにすればよかったのに・・・

思うにこの女優さんの顔が造形するのに向いていたのでは・・・かなり特徴のある顔です。または、当時の美人の女優さんが蛇女になるのをいやがったのかもしれない。ちなみに、この蛇女の下半身は本物のボアから型を取ったもの。

この蛇女の出し物が終わり、
「お気に召しましたら、島への航海をお許しください」とソクラ。
「術は見事だが、許可はできぬ」
とまたしても却下。
次第に怒りを募らせるソクラ。

自分たちは上陸しなければいいのだから、連れて行ってあげてもよさそうなものだが・・・